『DNSをはじめよう』を読んで実際にappドメインを買ってみた
先日、googleが.app
ドメインの一般登録を開始しました。
ネイティブアプリ開発をお仕事としていることもあり、不思議な使命感に駆られて契約してました。その際、先日技術書展4で購入した『DNSをはじめよう』が役に立ったのでまとめてみます。
『DNSをはじめよう』について
著者はmochikoAsTechさん、技術書展において750冊売り切りを達成した恐るべき本です。その後もboothにて売れ続けていると言われています。
BOOTHでの #DNSをはじめよう のダウンロード販売数が200冊を超えた! #技術書典 4での750冊と合わせて、ほんとに1,000冊超えが夢じゃなくなってきたな。買ってくれた方がみんな喜んでて泣きそうー。https://t.co/ohvUXLeoCb
— mochiko@DNSをはじめようをダウンロード販売中 (@mochikoAsTech) 2018年4月29日
今は電子版のみです。
この本のゴールとして、以下のものが挙げられていました。
・ドメインを買うときは何に注意してどこで買ったらいいか分かっている
・Whois情報に何を登録すべきか分かっている
・ 障害が起きたときに黒い画面(ターミナル)で dig コマンドや whois コマンドを駆使して原因を調査できる
・サイト移管時に「DNS 浸透待ちで 8~24 時間くらいは切り替わりません」みたいなことを言わない
・読む前より DNS が好きになっている
4つ目が刺さりますね。。。
目次
感想
サービスの創世記に携わったりしない限り、なかなかドメインの管理に携わることって無くてですね。趣味でいじったとしても、1回紐付けたら後はそのままにしてしまうので……。
本書は、ドメインに関する知識を疑問ベースで丁寧に扱っており、著者のドメイン愛とそれを広めたい思いがとんでもない熱量で伝わってきます。途中で挟まっているドリルもすごく「上手いな」と感じました。
個人的に1番役立ったのは、リソースレコードについて扱っている章です。AやらNSやら、よくわかんないけどマニュアルに沿ってやっていればOKくらいの認識しかなかったので、良い復習になりました。
また、digコマンドやwhoisコマンドも勉強になりました。これでいちいちブラウザからwhois情報を調べなくてもいいんですね……!
中身からは離れますが、実際の書籍自体のクオリティも高いです。半透明の遊び紙、これいくらするんだろう……。技術書、ニッチな分野も対応するせいか商業誌だとこういうこだわりになかなか出会えないのでちょっと嬉しくなってしまいました。
appドメインについて
.app
ドメインは、googleのドメイン登録サービスのGoogle Registryが提供するトップレベルドメインです。大きな特徴としては、HTTPS接続が必須であるということ……のようです。どうやってるんだろう。
また、googleが.app
ドメインの紹介文を提供してくれているので添えておきます。この文章使ってね、とのこと。
Apps make the mobile world go ‘round, and now they have their own more secure home on the web: the .app domain, the most relevant TLD for mobile apps. You can use your .app name to showcase a unique and trustworthy destination, as a relevant download link, for deep linking, or for sharing screenshots, release notes, and reviews. Get your .app domain now to start sharing your app with the world.
せっかくなのでGoogle翻訳に頼ります。
アプリでは、モバイル世界が一巡し、現在はウェブ上により安全なホームがあります。.appドメインは、モバイルアプリにとって最も関連性の高いTLDです。 .appの名前を使用すると、一意で信頼性の高い宛先、関連するダウンロードリンク、深いリンク、スクリーンショット、リリースノート、レビューの共有などを表示できます。今あなたの.appドメインを取得して、あなたのアプリを世界と共有しましょう。
deep linking
惜しい……!!
公式サイトのAnnouncementを見ると、
- 2017/12/14:
.app
と.dev
をopenなTLDとして、2018年の前半に提供することが最終決定 - 2018/05/01: リリース計画が確定
- 03/29-05/01: 商標を持っている人のみ登録可能な期間
- 05/01-05/08: Early Accessとして、追加料金を払うと登録可能(追加料金はだんだん下がっていく)
- 0508-: 全体向けに登録開始
- 2018/05/02: Early Access期間の追加料金に関する方針が決定
- 05/01-05/05にかけて段々追加料金が下がっていく
- 追加料金はレジストラによって違う
のプランで進んでいったみたいです。TLDの立ち上げの一連の流れを追うのも面白いです。
ちなみに.dev
もローンチに向けて動いているようです。これ、本のトラブルシューティングで言及があったやつですね!
登録について
今回、miliya.app
ドメインを取得しました。
僕はHPをよく読まずに焦ってEarlyAccessの期間に登録してしまいました。やたら高いと思ったら追加料金だったのか……
今回の場合、レジストリがgoogle registryなので、レジストラかリセラを探せばよい、とのことになります。
が、お馴染みお名前ドットコムやムームードメインは取扱業者のリストには無く。。。
ドキドキしながらも海外のレジストラの中から、name.comで登録してみることにしました。ほとんど勘ですが、こんな人気ありそうなドメインで運営してるってことは大丈夫じゃろ、くらいの気持ちです。
流れ
そんなに難しいことはありませんでした。
05/02: 会員登録
05/09: 24時間以内にアカウントにドメインが追加されるよ、とのメール
05/09: 登録完了通知。Whois privacyも追加するといいよ!とのメッセージ。
05/09: Whois privacyを追加(追加料金あり)。1分くらいで反映完了メールが来ました。
お値段
- domain: $14.99/year
- Whois privacy: $4.98/year
合計で年間$20くらいです。なかなか高いです。。。
実験
実際にdig
とwhois
を叩いてみましょう。
; <<>> DiG 9.10.6 <<>> miliya.app ;; global options: +cmd ;; Got answer: ;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 5651 ;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1 ;; OPT PSEUDOSECTION: ; EDNS: version: 0, flags:; udp: 512 ;; QUESTION SECTION: ;miliya.app. IN A ;; ANSWER SECTION: miliya.app. 300 IN A 91.195.240.82 ;; Query time: 112 msec ;; SERVER: 2400:402f:9f1f:1100:225:dcff:fe1e:ee57#53(2400:402f:9f1f:1100:225:dcff:fe1e:ee57) ;; WHEN: Sun May 20 21:08:32 JST 2018 ;; MSG SIZE rcvd: 55
$ whois miliya.app % IANA WHOIS server % for more information on IANA, visit http://www.iana.org % This query returned 1 object refer: whois.nic.google domain: APP organisation: Charleston Road Registry Inc. address: 1600 Amphitheatre Parkway Mountain View, CA 94043 address: United States contact: administrative name: Domains Policy and Compliance organisation: Google Inc. address: 601 N. 34th Street address: Seattle, WA 98103 address: United States phone: 1 202 642 2325 fax-no: 1 650 492 5631 e-mail: iana-contact@google.com contact: technical name: Richard Roberto organisation: Google Inc address: 76 9th Avenue, 4th Floor address: New York, NY 10011 address: United States phone: 1 212 565 2633 fax-no: 1 650 492 5631 e-mail: crr-tech@google.com nserver: NS-TLD1.CHARLESTONROADREGISTRY.COM 2001:4860:4802:32:0:0:0:69 216.239.32.105 nserver: NS-TLD2.CHARLESTONROADREGISTRY.COM 2001:4860:4802:34:0:0:0:69 216.239.34.105 nserver: NS-TLD3.CHARLESTONROADREGISTRY.COM 2001:4860:4802:36:0:0:0:69 216.239.36.105 nserver: NS-TLD4.CHARLESTONROADREGISTRY.COM 2001:4860:4802:38:0:0:0:69 216.239.38.105 nserver: NS-TLD5.CHARLESTONROADREGISTRY.COM 2001:4860:4805:0:0:0:0:69 216.239.60.105 ds-rdata: 41971 8 2 858FEEE8930855598DB109C9705955EDF494FA641ED1CDD07A95C13357E9FD19 ds-rdata: 23684 8 2 3a5cc8a31e02c94aba6461912fabb7e9f5e34957bb6114a55a864d96aec31836 whois: whois.nic.google status: ACTIVE remarks: Registration information: http://www.registry.google created: 2015-06-25 changed: 2018-03-20 source: IANA Domain Name: miliya.app Registry Domain ID: 2CB00A0B8-APP Registrar WHOIS Server: whois.nic.google Registrar URL: http://www.name.com Updated Date: 2018-05-09T03:39:40Z Creation Date: 2018-05-08T16:00:44Z Registry Expiry Date: 2019-05-08T16:00:44Z Registrar: Name.com, Inc. Registrar IANA ID: 625 Registrar Abuse Contact Email: abuse@name.com Registrar Abuse Contact Phone: +1.7203101849 Domain Status: clientTransferProhibited https://icann.org/epp#clientTransferProhibited Registrant Organization: Domain Protection Services, Inc. Registrant State/Province: CO Registrant Country: US Name Server: ns1lmy.name.com Name Server: ns2bkr.name.com Name Server: ns3cgw.name.com Name Server: ns4htz.name.com DNSSEC: unsigned URL of the ICANN Whois Inaccuracy Complaint Form: https://www.icann.org/wicf/ >>> Last update of WHOIS database: 2018-05-20T12:06:31Z <<<
ちゃんとprivacy設定も反映されてます!
まとめ
『DNSをはじめよう』のおかげで安心してドメイン取得できました。本のゴールにもあった、
サイト移管時に「DNS 浸透待ちで 8~24 時間くらいは切り替わりません」みたいなことを言わない
これ、学生の頃そのまんま喋ってました……お恥ずかしい……。
学生の頃はサークルのHPを作る、みたいな用途でよくわからないまま触っていたドメインとDNSの仕組みも、一回理解してしまえばえらく安心感を持って弄ることができますね。こういう本が、エンジニアではないような人達に幅広く届く場にあればなぁと切に思います。
また、せっかく取得したドメインを取得したので早く使っていきたいですね。はてぶろに課金するか、ポートフォリオサイト作るか……迷いますね。